介護を必要とする方のなかには、コミュニケーションをとることが難しい人、他者の世話になる自分を肯定できずにいる人もいます。
介護者の相手を思っての言動も、真意が伝わらず、嫌がられてしまったり、拒否されてしまうこともあります。
自分の時間と気力、体力を使い、誠心誠意行動しても、報われないと感じ、介護の仕事にやりがいを見いだせず、苦しんでしまう方もいるでしょう。
そんな時は、視点を変えてみるのもいいかもしれません。
「相手のため」から「自分のために」
「相手の健康を考えて、栄養バランスのよい食事を毎日食べさせてあげないといけない」から「栄養バランスを考えながらつくることで、料理の知識も増えた、おいしくできたから食べてくれたらうれしい」
「部屋に閉じこもっているのはよくない、外出を促し補助しなければならない」から、「今日は天気がいいから、一緒に出掛けたらきっと楽しい」
このように、綺麗ごとでもいいのです。
日々の満足の視点を、相手がどう思ったか、相手の役に立てたかばかりに置くのではなく、自分はどうしたかったのか、何をしたのかに注目して、それが実行、実現できたときに、心の中で小さく自分を褒めてみてください。
相手の役にたったから偉いのではなく、自分の意志を行動に移せたから、自分自身に「よくやった」とほめるのです。
他者の役にたちたいと思うとき、相手に感謝されないと、自分の力不足や虚しさを感じ、やりがいを見失いがちになります。
その時は、相手に「ありがとう」を求めるのではなく、行動できた自分に自分から「ありがとう」を送ってみてください。
このように自分の考え方や態度を変えてみることで、辛いときであってもやりがいを感じることができるでしょう。